効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再生可能エネルギーに力を入れる韓国

韓国が再生可能エネルギーの導入に力を入れると同時に、関連産業の育成に大きな政府予算を投入している。規模の大きい電力事業者には一定比率の再生可能エネルギーの導入を義務づけている。これまでは、フィードインタリフ制度のよって、高価格で太陽や風からの電力購入を義務づけていたのを変更して、供給する電力に占める再生可能エネルギーの比率を達成する義務を課す方法に変更した。そして、その再生可能エネルギーには燃料電池のように総合効率の高いものも含ませている。これは米国のカリフォルニア州や英国が導入している方策と似ている。洋上風力発電も実用化に向けてプロジェクトを立ち上げたと聞く。
同時に、韓国政府は再生可能エネルギー産業の育成策として、基礎技術や中核部品の研究開発などへの支援額を約1兆ウォン(約730億円)と前年比で24%増やすと報じられている。支援強化をてこにして、2015年の関連産業の輸出額を400億ドル(3兆3000億円)まで増やすのが目標だというから、日本は韓国の後塵を拝することになりそうだ。2010年の再生可能エネルギー産業関連の輸出額は約46億ドルと、前年比で2倍強に増えたというが、このあたりの数字は日本ではどうなっているか調べてみなければならない。日本は太陽電池の輸出ではまだ世界のシェアは高いものの、年々シェアを落としている。日本の風力発電設備メーカーは三菱重工だけが大手としてあるが、韓国は世界で急増している風力発電設備市場を取り込むために、ギアボックスやブレード(羽根)といって中核部品の開発に政府資金を投入している。国内に市場を育成することで基礎的な産業規模を確保し、技術が開発されると世界に売り込むのは日本が過去にとってきた施策だ。しかし、いま日本に風力発電市場がほとんど伸びていないから、日本企業にとって海外に出て行く前の準備がやりにくい状況にあるように思う。韓国より有利なのは中国。今年で世界トップの風力発電設置規模になったはずだから、幾つも風力発電設備メーカーが育ち、世界市場に打って出ている。日本の風力発電メーカーは日陰の存在になりつつあるようだ。