効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電の足切りは当分考えず

いま日本では、再生可能エネルギーの大量導入促進制度が目標も含めてきっちり決まっているのは太陽光発電(PV)だけだ。ところが、促進策が成功して日本全土にPVが入ると、電力需要が少ない休日などの昼間が快晴で、日本に設置されているPVがフル稼動すると、出力を抑制するのが技術的、経済的に好ましくない原発や水力、石炭火力などの発電設備からの電力に上乗せすると、需要を上回ってしまう可能性があるという指摘が電力会社筋から出されていた。理屈でいえばその通り。このブログでもコメントを戴いて議論したこともある。だが、このような事態が日本全体で見て起きるのはおそらく10年以上も先の話となる。それよりも、地域的にPVが固まって設置されたときに、余剰分が出てくるのはいまでも可能性はあるはず。もし過疎地にある家が全部の屋根にPVを取り付けて、配電系統に手を加えなければ、いまでも電気の逆流が起こりそうになる。
このように住宅用のPVから余剰が出て系統に悪影響を起こすのを防止するために、全体の需要が小さいときには余剰が出ないようにパワーコンディショナーにカレンダー制御を組み込んでPVの発電を抑制しようという方式が検討されてきた。しかし、今月初めに経済産業省は、当面このような抑制策は講じないことに決めている。それで良いと思う。系統全体に悪影響が出るようになるのはかなり先の話で、その間に課題を解決する技術開発も行われるだろう。蓄電池の価格が急速に下がって、住宅に設置されるのが流行するかもしれない。それに、現在でも、配電線の電圧が一定限度を超えると、PVの発電が停止する制御が組み込まれているのだから、系統全体が不安定になることはない。その制御が機能しなかったときにどうするかまで考える必要はないだろう。おそらく配電系統の電気が流れる方向が双方向になる時代がくるかもしれないのだから。