効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ダイキンが米国の空調メーカーを買収に動く

空調機メーカー大手のダイキンが、米国の空調機メーカー、グッドマン(テキサス州)の買収交渉に入っていると報じられている。数年前からダイキンが米国への売り込みを図っていたのは知っていたが、現地メーカーの買収にまで動くというのは予想していなかった。実現すればダイキンのエアコン部門の年間売上高は1兆円を超え、世界首位になる見通し。グッドマンは全米に700カ所以上の販売拠点を持つ。
ダイキンはグッドマン買収で北米の家庭用市場に本格参入する。北米の空調は全室空調が一般で、日本のように個別の空調機を取り付けることは主流ではない。大型装置で空気を温度調整し配管から送る「ダクト方式」が主流。日本の方式との違いからダイキンは苦戦が続いていたらしい。ダクト方式が主流の中南米市場開拓にもグッドマンの技術を生かす。ダイキンは07年、エアコン事業を世界で展開するマレーシアのOYLインダストリーズを2400億円強で買収し世界2位に浮上していた。
ダクト方式は熱ロスが大きい。ダクト方式でも、空気吹き出し口のすぐ裏に熱交換機を置く方式にして部屋の温度を個別に管理する方式も商品化されているらしい。しかし、設置業者などから見ると、扱い慣れないので日本のようなシステムは敬遠するのだそうだ。ダイキン空調機は電気ヒートポンプだろうが、一般的なダクト方式であれば、日本で製造しているユニットサイズより遙かに大きいものを準備しないと商品として通用しない。その意味で現地企業の商品とその販売チャネルを使うことができれば大きなメリットがあるだろう。そして、ダイキンの技術を買収した企業に移植できれば、今後の事業展開も楽になる。いま円高だから、海外企業を買収するには良いタイミングでもある。