効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気自動車フィーバー

毎日の新聞を見ていると、電気自動車関連の記事がない日がないくらいだ。それも自動車自体の開発、市場の将来だけに止まらず、電気自動車の生命線である蓄電池についても、その材料や部品レベルまで詳細に報道されている。電気自動車の市場が今後拡大することは間違いないとしても、その拡大テンポについては必ずしも早いと言えるわけではない。来年には初期市場が具体化するが、そこで出てくる消費者の反応次第では、商品として受け入れられるレベルが下がる可能性もある。リチウムという資源レベルの話もあれば、電極や電解質の性能を巡る話もある。どれも重要であるが、今後の市場展開にどこまで影響するのかよく分からない。
最近伝統的なエンジン駆動の自動車を電気自動車に改造して、その走行性能を競う競技会のことを報じたものがあった。その時に出場した電気自動車が採用した電池は、これまで主流であった鉛電池はほとんどなくなり、リチウムイオン電池が主流となったようだが、そのメーカーは全部中国、韓国だったそうだ。まず価格が絶対的に日本メーカーのものに比べて安い、それも半分以下だという。また、日本のメーカーは、特定の自動車メーカーとの関係が強いために、このような一時的なイベント用に自社製品を提供しないそうだ。それは分からないでもない。もしこの競技会で蓄電池に由来する事故でも起これば、ブランドに大きな傷がつくことになり、今後の商品開発に大きな影響が出るからだ。
これから発売される電気自動車の売れ行き次第では、いままで行われた蓄電池関連の投資が妥当であったかどうかが問われることになるだろう。蓄電池関連メーカーとしては、ここまで来れば後に引けないという段階だろう。蓋を開けてみれば世界的に過剰投資だったということにならないことを願うばかりだ。