国立環境研究所が面白いデータを発表している。自動車のドライバーが、スピードを出しすぎず、急な減速をしないようにするといった、いわゆるエコドライブをすると、周囲の車にもガソリン消費削減効果が波及するというのだ。条件にもよるが、CO2の排出削減効果はエコドライブをしている車だけで得られる効果の2倍以上になるケースもあったそうだ。交通量や信号など様々なパターンを想定して効果を計算している。たとえば、「信号間隔500メートル」などの条件で全体の20%がエコドライブの場合、これの直接削減効果は2.6%。ところが、」波及効果も入れると6.6%になり、約2.5倍に拡大。エコドライブ車比率が40%の場合は約2倍の10.5%となった。エコドライブ車の後続車も結果的にゆっくり走るなどの影響が出るためだ。従来、一部の車がエコドライブすると、交通全体では流れが乱れ、CO2排出が増えるとの指摘もあったそうだが、今回の研究から、全体としてはむしろ大きな削減効果が期待できることが分かったということだ。
自分自身それほどエコドライブに徹しているとは思わないが、下り坂ではアクセルを全く踏まないで慣性で走らせるようにするし、前方が赤信号であることを確認すると、やはりアクセルから足を離してしまう。停まる寸前までアクセルに足を乗せていると、余計な燃料を使うことになるし、寸前で強くブレーキを踏めば、ブレーキパッドの消耗も大きくなると思っているからだ。それは、後ろから来る車のドライバーから見れば、のろのろした車だなと見えるかもしれない。しかし、こちらに連れもって速度を落として貰えば、今回のデータと同じようなことになるのだろう。当たり前といえば当たり前かもしれないが、相乗効果が大きいことが示されたのが面白い。このような連れもって現象は他のエネルギー消費分野にもあるに違いない。新しい冷蔵庫に取り替えたら電気代が下がったと言うのを聞いて、それなら自分もと思う人が多ければ、その倍数効果は大きいだろう。誰かがやり始めることが重要だということだろう。