効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

紙ベースのデータ

三菱東京UFJ銀行が8月中旬から、全国約8500台の現金自動預け払い機(ATM)で、取引内容の記録を電子化する新システムを導入することが7日明らかになったという報道を見て仰天した。従来は紙での記録だったため、A4サイズに換算して年間6300万枚の紙を節約でき、省資源化のほか、記録紙の搬送や保管が不要になることと合わせ年間約3億円のコスト削減の効果があるという。全国のATMは少なくとも毎日10時間ほど稼働しているし、繁華街にあるものなどで利用する人の数は非常に多い。その一人一人の利用状況が全部紙に印刷されて保存されていて、今回のデジタルデータで保管する方法が大手銀行では初めてだという。大きな疑問はこれまでなぜデジタルデータとして保管できなかったのだろう。ATM自体は中央の大型コンピュータに接続されていて、個別の顧客データとの照合が常に行われている。その段階ではデータはデジタルだ。ここのポイントでいろいろな処理が行われているのは全て中央のデータ記憶装置に保管されているはず。ということは、ATMが設置されているところで、ATM一台一台の処理の一部がプリントアウトされていたのだろう。このプリントアウトは何を目的として行われていたのだろう。紙のページ数を数えてどの程度ATMの利用に偏りがあるかなどを見ていたのだろうか。
昔業務のIT化を担当していたときに、現場でプリントアウトされた資料がどのように使われているかを調べたことがある。その時に、送られてきた紙の資料は保管しているだけで、全く利用されていないものが結構多いのに驚いたことがある。昔の上司から指示されて作成したが、それをどのように利用していたかは知らなかったというケースもあった。発送元を調べると、昔の依頼で作り続けているだけで、利用の程度はチェックしていなかった。これがなければ誰が困るかを調べたら、誰も困りはしなかった。
これと同じことではないかもしれない。しかし、ATMが設置されてからかなりの時間が経過している。プリントアウトをなくするだけで、コストダウンが3億円。環境コストなども入れると大きな経営改善に繋がることがどうして早く実施されなかったのだろうか。