効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

使用済み核燃料処理

朝日新聞が「核燃料を再利用するための日本初の本格的な「再処理工場」(青森県六ケ所村)の10月の完成が危ぶまれている。最終的な試験運転が、設備トラブルで遅れているためだ。全国の原子力発電所には再処理に回せない使用済み燃料が積み上がる。また、たとえ稼働しても使用済み燃料が増え続ける構図になっており、核燃料サイクルが抱える課題は多い。」と報じている。またか、という感じだが、多分また修理に失敗するだろうと思っていたから予想の範囲。
再処理工場にはこれまで、当初計画の3倍近い2兆1930億円が投じられ、おおかたの設備は完成していると、上に続く記事には書いている。設備は完成しているというが、本当の完成は順調に動いて初めて言えることだろう。この設備は実験開始で使用済み核燃料が投入されているから、強力な放射能を持つようになっている。だから人間が近づけないため修理はきわめて難しいこととなる。そして、処理の最終工程に、ウランとプルトニウムを回収した残りの残渣溶液をガラス体にして、地下に埋設できるようにしなければならないが、この工程が何度も試験操業で失敗している。2007年に試験を始めたが、炉内の温度が安定しないためにガラスがうまく流れず、何度も中断している。トラブルはこれだけでなく、保存プールに穴が空いたり、パイプが漏れたり、今度の工程をうまく動かせるようになっても、これで安心になるとは考えられない。
日本の原発は、使用済み核燃料をここで処理することを前提に稼働している。暫定的に発電所内に使用済み核燃料を保管しているが、そのスペースが一杯になりつつある。しかも再処理がうまく行ったとしても、この硝子化した放射能の塊である固体を埋設する場所が決まっていない。結局この処理場に保管せざるを得なくなる。このような状況で今後原発を増設すればどのような事態になるのだろうか。