効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ヒートアイランド

数日前の午後、大阪駅のすぐそばにあるOSビルの最上階にある芦屋大学梅田キャンパスを訪問した。これまでにもいろいろ指導をいただいて尊敬する先輩に会いにいったのだ。自分より数年年上だがまだ現役。私立大学の生き残りをかけた改革をいま進めている。
応接間に通されて少し待ち時間があった。窓からビルの屋根が見渡せてよい眺めだ。眺めは良いのだが、窓硝子が単層であるため傍へよると熱くなっている。近代ビルだが、ここの空調負荷は大きいだろう。赤外線反射ガラスを使っているかもしれないが、直接外の熱い空気に触れているから高温となり輻射熱が大きい。これに少し手を加えて硝子窓を二層にしてやれば、空調負荷が落ちることによる高熱費削減で改造の投資は3年ほどで回収できるのではないかなどと思っていた。そして下を見たら、各ビルの屋上に空調装置の熱交換機が目白押しになっている。夏にはビルの中の熱を外に排出しているから、どのビルの上も温度が周辺より高くなっているはずだと気がついた。都会の舗装道路がヒートアイランドの主たる原因になると思っていたのはおそらく間違いだ。ビルの屋上も舗装道路と同じように太陽の直射を受けて高温となり、それに上乗せして空調機の排熱で温度がさらに高くなる。道に水をまくのが効果的だとよく言われるが、それでは到底追いつかないことが分かる。この排熱を少なくするには、ビルの断熱性を高めることがもっとも効果的だろう。そのような投資を促進する公的支援策が必要だ。そして、新築ビルには厳しい断熱基準を適用しているドイツのような制度の実現が求められる。