効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

使用済み核燃料の「空冷」保管

青森県六ヶ所村で建設中の使用済み核燃料を処理する設備の稼動が遅れに遅れているため、政府が想定している原発再稼働が始まれば、そこから出る使用済み核燃料を処理できない。いま原発の敷地内に設けたプールで冷却しているが、これが間もなく満杯になる原発が出ている。九電玄海原発佐賀県)、東京電力柏崎刈羽原発新潟県)、日本原子力発電東海第2原発茨城県)はあと3年でプールがいっぱいになる。容量に10年以上の余裕があるのは、泊、東通、志賀、川内原発の4カ所しかないそうだ。そこで、ある程度温度が下がった使用済み核燃料をキャスクに入れて、発電所内に空気で冷却保存する設備を作ることが検討され始めたようだ。使用済み核燃料の貯蔵容量を増やすには、プールの貯蔵能力を増やすか、陸上に乾式貯蔵の施設をつくるかだ。一方、原発が立地する地元自治体には乾式貯蔵に抵抗感もある。放射線量の高い使用済み燃料が「永久に置かれるかもしれない」という懸念がぬぐえないためだ。最終的にどこに落ち着くか、乾式貯蔵方式はいずれにしろ具体化しなければ貯蔵場所がないために原発の稼動ができなくなる可能性もある。脱原発の世論にも対応しなければならず、政府のエネルギー政策に新しい難しさが出てきた。