効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ビル・ゲイツが新型原発開発を促進

また新聞情報に驚かされた。マイクロソフト創始者であるビル・ゲイツは、いま世界第二位の資産家だそうだ。その膨大な資産の使い道の一つとして貧困者救済の財団を主宰していると理解していただけに、米国のベンチャーが開発した新型原子力発電技術の開発を支援し、そのパートナーに東芝を選んだという記事が最初信じられなかった。違うビル・ゲイツではないかと思ったくらいだ。
この新型原発は100年間燃料を取り替えることなく稼働させることができるという。解決すべき課題は、100年間放射線を浴びても劣化しない炉心材料だと報じられている。このような材料が開発されれば、燃料も劣化ウランだし、制御棒を使わなくても済むほど安定した稼働ができる原子炉だというから、現在稼働中の原発より運転という面での安心度は高いだろう。だが、100年先に解体されるときに出る放射性廃棄物の処理はどうなるのだろう。この処理技術も彼は開発を支援するのだろうか。それなしでは無責任だと思う。100年というのは長いように見えるが、人類、あるいは生物のサステイナビリティーはそんな短期の話しではない。放射性廃棄物には放射能半減期が何千年というものもあるのだから、地下に埋設するにしても、それを1000年の間管理できる制度も含めた処理技術が開発されなければ、原発は必要悪であることに変わりはない。
地下を流れる水の動きを人間はまだ把握していない。また、ガラス体に封じ込めれば外に放射性物質が漏れ出ることはないといわれるが、水は摩訶不思議な力を持つとも聞く。万一水とガラス体が反応するとすれば、地球の水は汚染されるだろう。それに気づいたときにはもう遅い。その時期は数百年先かもしれないが、そこまで責任を持てる技術を人間が開発できたとは思えない。放射能を一瞬にしてゼロにする逆放射線のようなものが開発されれば別だが。