効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

竹を燃料とするボイラー

テントのメーカーだと思っていた太陽工業が、竹を燃料に使うボイラーを開発した。今年の夏にも受注を始めるという。細かく砕いた竹を専用の炉で燃やし、工場や農家の設備の熱源にする。植物を燃料にする場合にはカーボンニュートラルとなるので、CO2の排出量をゼロに見なされる。ただ、経済産業省バイオ燃料なら自動的にカーボンニュートラルとはしない政策を打ち出すらしい。バイオ燃料を製造したり輸送したりするのにどうしてもエネルギーが必要で、ほとんどが化石燃料起源のものだからだ。この基準からすると太陽工業が売りとするメリットが少なくなる可能性もある。
燃料に使う竹は国内に多い孟宗竹。成長が1年程度と早く、急速に増えるために放置すると森林の生育を妨げる。だから伐採しなければならないのだが、ちょっと目を離すとどんどん広がってしまう。だからこれを燃料にできる分野が拡大すると、森林の保護にもつながることになる。竹は油分を含み通常の炉に投入すると内部が1300℃近くまで急上昇して炉を傷めやすいそうだ。新装置は炉の構造を工夫して内部の温度が徐々に上がるようにした。高い温度になるのを下げるのではないから、使い方によっては発電も含めて多面的な利用ができるようになるかもしれない。課題はどのようにして原料の竹を継続的にかつ安価に確保するかだろう。竹をそのまま放り込むことができないのだから、チップをどこかで作らなければならない。チップ製造装置も一体化してあるのだろうか。竹山とボイラーの設置場所が近くないとコストアップにつながるだろう。杉の間伐材と比較して経済性が出るのだろうか。竹の生長は速いから、ある区画の年間生産量が分かれば継続性は確保できるだろう。毎時30キログラム程度の竹を投入できる小型装置で300万〜400万円。年間20台の受注を目指しているが、性能が安定していれば案外受け入れられるかもしれない。竹は人家の近くにも多いからだ。