効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

白金使用量の少ない固体高分子型燃料電池

住友商事が出資する英環境関連企業のACALエネルギーはこのほど、従来の白金触媒に代わる安価な金属化合物を触媒に利用し、製造コストを低減した固体高分子型燃料電池(PEFC)モジュールの試作機を開発した。3月3日から東京・有明東京ビッグサイトで開かれる第6回国際水素・燃料電池展(FCEXPO2010)で初めて公開する。定置型の非常用電源用途として2年以内の商用化を見込む。」という記事を読んだ。PEFCは発電部分に白金触媒を使用しなければ効率よく発電させることができなかった。そのため製造コストを下げるのが難しかったのだ。白金に代わる触媒の開発は永年続けられているが、完全に代替できるものはまだできていなかった。もし、ACALエネルギーの開発した触媒が白金に代替できるものだとすると、現在エネファームという商品名で販売されている家庭用燃料電池のコストダウンに大きく貢献することになる。自分も訪問しようとしているFCEXPO2010で展示するということだが、展示品から触媒そのものを評価することはできないだろう。データが出されているとしても、研究室データでは商品化できるかどうかは分からない。どのような組成の触媒なのか、明日訪問する会場でじっくり眺めてみよう。
我が家で稼働しているSOFCでは、触媒はセル部分に使われてはいるが白金ではない。だからコストダウンはやりやすいはずだ。セル部分はセラミックスだから焼成の技術的難しさはあるとはいえ、素材に白金ほど高価なものは使われていないと理解している。また、PEFCに比べて部品の数も少ないし、燃料改質部分も簡単だ。PEFCのセル作動温度が摂氏6〜70度であるのに比べてSOFCは7〜800度と高温であることが周辺に使われる材料に制約があった。しかしその材料面ではかなり解決されつつあると聞いている。いずれにしろ、PEFCの白金使用量が大きく減るということが事実だとすれば嬉しいことだ。