効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ヤモリの匠

今日も結構寒い。一日パソコンに向かって動かなかったので、近くにある公園に散歩に行った。小高い丘一帯の森に遊歩道が造られていて、急な階段もある。真ん中には子ども向けの遊園地があって、滑り台やブランコもあるが、寒さのせいか閑散としている。時々犬の散歩をさせる人とすれ違うくらい。林の茂みには時に小鳥が枝から枝に飛び移っていて、近くまで行ってもあまり恐れる様子もないのは嬉しいことだ。散歩道が一時は落ち葉に埋まっていたのだが、いまは綺麗になくなっている。自然になくなったのではなく、公園の管理者が取り除いたのだろう。放っておいても良さそうに思うのだが、もし落ち葉に足を取られてけがをする人があると、訴えられることも考えられるから清掃したのかなと思う。一時間ほど歩いて帰って万歩計を見たら7500。散歩前に500ほどは示していたから、7000歩の運動をしたことになる。これでは体重も減らないだろう。
帰宅して夕刊を見て面白い記事を見た。日東電工が壁や天井に張り付いて歩くヤモリの足の構造を真似た、粘着力の強いテープを開発したというものだ。特殊な糊を開発したのかなと思ったらそうではなかった。ヤモリが天井を逆さまでも素早く動けるのは、足の裏にある微細な毛のお陰だそうだ。毛の先端と壁面の凹凸が分子レベルでついついて粘着力が生まれるとされ、この仕組みを真似たという。ナノテクを応用してテープの表面に毛のような極めて細い材料をくっつけている。テープは斜めの方向から引っ張れば簡単に剥がれ、接着剤ではないから表面に粘り気が残ったりしない。剥がしても繰り返して使えるという。5センチ角のテープなら115キログラムの物がぶら下げられるとのこと。部品を固定する工業用テープなどとして5年以内の製品化を目指している。ヤモリは自分の足裏の構造がそんな特殊なものだとは知らないだろうが、自然の創りだした匠の技術だ。クモの糸も人間の技術では創り出せないと聞くし、生き物が自然に行っていることを真似れば、エネルギー効率から見ても極めて優れたものを開発できることは確かだ。これをバイオミミクリー(ミミクリーは真似の意味)という。ゴキブリも天井を走るが、時に落ちてくるから足裏構造は違うのだろう。