家電量販最大手のヤマダ電機が、電気自動車(EV)を開発するベンチャー企業「FOMM(フォム)」(川崎市)と資本・業務提携した。ヤマダはEVを「21世紀の新たな家電」と位置づけ、2020年にも低価格の小型EVなどを発売することを目指している。既にユニークな電気掃除機などを開発したダイソンがEVを製造すると発表しているから、それほど驚きはしなかったが、同じようなケースがこれから多く出てくるだろうと思える。というのは、EVを駆動するのは、エンジンのような多様性のない電気モーターで、駆動エネルギーは、これもほぼ標準的な蓄電池だ。蓄電池はまだ開発途上にあるが、電気モーターにはこれから多様な性能のものが生まれるとは思えないし、新しい蓄電池が開発されれば一斉にそれに切り替わるから、EVの差異化には、上部構造である車体の構造、材質、デザインが重要な役割を果たすことになる。そして、自動運転の実現にはまだ時間がかかるだろうが、安全性、快適性を高めるITを利用したパーツの競争になる。とすれは、ヤマダ電機の調達網でカバーできる。ベンチャーがヤマダ電機の意向に沿ったものを基本的な台車にとりつければ、ユニークなEVを作り出すことは不可能ではない。そして家電の流通網内乗せて、メンテも家電と同じようなチャネルで実施することは可能だろう。奇抜な電気自動車が生まれるかも知れない。