効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

排出権についてコメントを頂戴しました

昨日の記述に『排出権を海外から購入することには一般的に批判が強いようですが、日本が排出権に多額のお金を出すとなれば海外のCO2削減の投資を誘発し、地球のCO2排出量は確実に下がり、並みの海外援助などよりよっぽど有効に思うのですがいかがお考えになりますでしょうか。日本にとっても低コストな対策であるし日本の省エネ技術も売れて結果的にお金は日本に戻るかもしれないし。現在検討されている環境税で排出権を買えば日本ではCO2でなやむことはもうないわけだし。海外から排出権を買うことはなにも悪いことではないように思うのですが。』というコメントがありました。
日本が海外から排出権を買うのは、善し悪しの問題ではなく、やらざるを得ないことだと思います。やらざるを得ないだけに、足下を見られて高く売りつけられる可能性もあります。日本の購入によって海外でCO2削減投資が誘発されるとしても、それが日本にとって低コストかどうかは分かりません。日本の技術が売れる保証もありません。日本にお金が戻ってくる部分もあるでしょうが、タイムラグがありますし、海外に出っぱなしとなる部分も多いでしょう。そうならないようにするためには、排出権取引について日本が不利にならないよう政府も企業も上手な交渉をする必要があります。
昨日述べたことは、国内に排出権があるのなら、小さいものでもそれに価値をつけて売買できるようにする方が中小企業のCO2排出努力を刺激することになるので有効な方法だという趣旨です。海外からの調達が望ましくないといっているわけではありません。これで取引される量は日本が置かれた状況からすると海外から調達するものとは比較にならない小さな量だと思います。しかし、個々の中小企業にとっては馬鹿にできないリターンになるはずです。中小企業にとって、CO2削減対応で得られるメリットが目に見える形にしてあげないと、なかなか積極的には動かないと思うからです。業務用の排出量が大きく増えている状況を食い止める方策としても面白いのではないでしょうか。