効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

炭酸ガス回収

ロイターが報じるところでは、環境に敏感な国であるノルウェーで火力発電所などの排ガスから炭酸ガスを回収する(カーボン・キャプチャー)技術の開発を諦めたということだ。IEAはこのCCS技術がCO2排出量を削減するのに重要だと位置づけているが、これまでのところ、世界で見ても実用規模のプラントはまだ登場していない。ノルウェーは国内でいままでやってきた技術開発を止めることを決断したと、同国の石油・エネルギー相が述べたとの記事だ。この技術開発を継続しても、現在二酸化炭素排出権取引市場価格が低調であるため,経済的に意味がないのだろう。この意味で技術開発の継続のリスクが高いと判断したようだ。ノルウェー水力発電に依存する比率が高いから、この技術に頼らなければならないという必要度も低いのだろう。
日本ではこのCCS技術開発へのプロジェクトは幾つか進行し、海外での実証も行われている。だが、基本的にコストがかかるという点で、なかなか満足できるプラントができていないのが現状だと理解している。この開発が成功すれば、確認埋蔵量が多い石炭の利用がやりやすくなるのだが、当面は無理だということか。