効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国と水

今日大学で担当する講座の中国から留学している女子学生が自分の課題研究として考えていることを発表した。彼女の関心は中国が直面している水不足。10年ほど前にワールドウオッチ研究所が出していたヴァイタルサインという本を日本語化するのを手伝っていたときに、長江の水が海まで届かなくなるときがあるくらい水がなくなっているというレポートがあったことを思い出した。アジア大陸の水源であるヒマラヤの積雪量が減ったために中国全体に対する水の供給量が減っているということだった。その後中国の工業化が進み、都市開発が進展し、生活水準も上がって、水不足はますますひどくなっているようだ。南の方は降水量が多いために、北に向けて水を送る水路の建設が行われていると今日説明があったが、基本的に水の供給絶対量が減っているのだから焼け石に水であるかもしれない。また、飲料水の汚染もひどくなっているという説明もあった。以前中国を訪問したときに、中国では一度煮沸した水しか飲まない文化だと聞いたこともあったが、今日の説明を聞いていると、煮沸しても除けない汚染物質が中国の飲料水に増えているようだ。
水の絶対量がこれから中国で不足するとすれば、国内で水の再利用を大幅に進めなくてはならないだろう。そのシステムには日本の浸透膜による水浄化技術が貢献できることは確かだ。だが、その普及より前に飲料水の汚染による人体被害が拡大する可能性もある。世界的に水の不足がこれからの問題だと言われているが、中国がそれを国全体に顕在化させる最初の大国になるかもしれないと考えるようになった。