効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

2020年に1990年比温暖化ガス25%削減

今日午後、テニスに行きたい気持ちを抑えて大阪まででかけた。CASA(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議)が開催した第17期地球環境大学の「日本の中期目標を検証する―化学と経済の側面から―」と題するセミナーに参加するためだ。会場へぎりぎりに着いたら殆ど席がないほどの盛況。
まず国立環境研究所の増井利彦さんが、科学の側面からの話をされた。25%削減の可能性について実際にモデル計算をされた背景を詳しく説明して貰ったが、新聞報道などで首をかしげた部分がクリアーになった。現在の科学的知見を前提にしながら25%削減をするとすれば、いろいろなセクターがどのような変化をしなくてはならないかの計算をしたのだが、そこには今後の社会変化を予測することの難しさがあることもよく分かった。25%削減には2020年で35万円を国民が負担するという数字だけが一人歩きしていて、その時の所得予想と対比すれば言われるほど大きな負担にはならないとの説明もあった。もう少し勉強してみよう。
次には京都大学大学院の植田和弘教授。経済の側面からの話だった。地球温暖化防止に向けて、日本が少しずつ強い発信力をもつようになったと言われたが、発展途上国への訴求を考えれば、それだけ具体的な責任を負うことになることは確かだ。2009年のCOP15で日本がどれほど政治力を発揮できるかという、これまで未経験な舞台で新政権は動かなくてはならないことも理解できた。持続可能社会の実現には、現在の技術の延長だけでは難しさがあるが、これまでの歴史にあるようなイノベーションが起こることも期待しなくてはなるまい。厳しい条件が課されると、それを乗り越えるために新技術も生まれるだろう。また、環境を基盤にした産業も生まれるだろう。
月刊「公明」編集部から依頼されて書いた「日本版スマートグリッドの可能性」と題する自分の論考が、同誌11月号に掲載された。10月7日発行。普通の書店では取り寄せになるが、同誌のホームページから購入することができる。一部300円。http://www.komei.or.jp/apply/publish/magazine.html
興味のある方に読んで貰えれば嬉しい。