効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大阪ガスが面白い技術を開発

Daily Yomiuri(英文読売)新聞で知ったのだが、大阪ガスが、海底油田から採掘する原油に伴って出てくる天然ガス(随伴ガス)から海上プラットフォームでナフサや灯油など料を製造する技術を開発した。天然ガスから液体燃料や化学原料を作る技術はあるが、大型のプラントとなるため海上の採油プラットフォームに載せることはできなかった。フィッシャー・トロプシュ反応だったと思うが、シェルなどが実用化しているはずだ。GTL (Gas to Liquid)技術とも言われている。GTLプラントは大規模となって操業コストも高く、原油価格がかなり高くないと経済性が出ないと聞いている。大阪ガスは、プラント建設大手の日揮などと共同開発し、小型化に成功した。独自の触媒技術を生かすことで、設置面積が従来の10分の1以下ですみ、製造費も2割ほど減らせるという。商用化は2015年頃としているが、石油生産会社が関心を示してくれるだけの魅力ある技術であるかどうか、これからの展開が楽しみだ。
海上油田からの随伴ガスはいままでだと陸上に運ぶことができないために、全部燃やして捨ててしまっていた。最近LNG製造船も開発されているから、それとの競合もあるだろう。しかし、産出規模との関係でうまく棲み分けできるかもしれない。ともあれ、いままで燃やして捨てていたということは、ただ二酸化炭素を大気中に放散して地球温暖化の原因を増やしていたわけだ。それを有効に使えるものにしたということだから、その環境価値も評価されることを期待している。