効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大阪ガスの海外進出

大阪ガスは国内市場の大きな伸びが期待できないところから、海外のエネルギー市場に進出を具体化してきた。シェールガスLNGとして日本に導入するのにも先頭を切っていた。だが、今日の報道記事には驚かされた。活性炭製造で世界3位のスウェーデンのジャコビカーボンズABを買収するのだという。来年1月、約383億円で全株を取得する。ジャコビ社が得意とする欧米向け販路や低コストの製造技術を取り込み、手薄だった海外展開を加速するそうだが、子会社の大阪ガスケミカルを通じて買収する。活性炭は不純物を取り除く機能があり、水処理や空気清浄、食品・医薬品の製造などに使う。ジャコビ社は111カ国の販売網に加え、フィリピンやインドなどの拠点で安価な活性炭を生産する技術を持つ。
これは都市ガス事業の歴史を辿るとなるほどと肯ける動きだ。もともと都市ガスは石炭・石油から製造されていたため、一種の化学産業で、その関連の技術者も多く抱えていた。だが、LNGを原料とする天然ガスが原料に切り替わってからは、その技術が本体では使えなくなり、大阪ガスケミカルを設立して石炭・石油化学事業を残し、育ててきたのだ。それが活性炭については世界でも6位、4%のシェア持つまでになったものが、活性炭事業分野に関して言えば、小が大を買収するという意外性のある決断によって、両方を合わせると世界で3位になると報じられている。地域独占のガス事業に甘んじない大阪ガスの事業姿勢をよく伝える動きだと思う。