効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

Next 21の実験中間報告

今日午後、大阪市内で大阪ガスの実験住宅Next 21の実験中間報告を聞きに行った。4〜500人集まっていたのに驚いた。自分の元の職場がもろに関係していたものだが、実験も第三フェーズに入っている。大阪の上町台地に建てられた集合住宅社宅で、外部構造は極めて強固に作られていて、それこそ200年でもびくともしないだろう。しかし、内部に作られる住宅部分は、柔軟に設計が変更できるようになっている。住む人の家族構成や年代、ライフスタイルに合わせて、従来の建物に比べればコストも大きくかけずに手直しができる。そして、今回の報告では、その手直しする材料もできるだけ全体のライフサイクルエネルギー消費を抑制するように考えられている。使用済の材料を再利用したり、後に再利用できるように保存までしているのには感心した。また、冒頭の講演で巽京大名誉教授が、日本の伝統的木造住宅の再評価を話されたのは嬉しかった。その上で、200年住宅実現には、住宅構造の問題よりも、建築設計と不動産事業との融合、中古住宅の流通、金融、税制と、検討すべき課題が多いことを指摘されたのも、日頃そう考えているだけに我が意を得たりだった。
また、エネルギー消費についてもファクター4住宅(エネルギー消費を4分の一にする)の実証試験もしていた。中間報告段階では、実際に社員が住んでいる住居で、75%削減の目標はまだ無理だが、68%減にまではできるというシミュレーション結果が出ている。そのやり方は、別に奇想天外なことではなく、常識的なことを積み上げたものだ。入り口を二重にして外気温が中に入りにくくする、日差しを遮る工夫を重ねる。不必要な開口部は断熱材で閉ざしてしまう、照明にはモーションセンサーをつける、太陽光発電を使う、などだ。集合住宅だしもともと断熱構造が十分取り入れられているものだから、これほど大きな効果が積み重ねで生まれるとは思っていなかった。自分の家でももう少し工夫をしてみようという気になっている。