効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

フラクタル日よけ

日経産業新聞のメール情報を見ていたら、興味あるものの紹介があった。都市のヒートアイランド対策として、屋上緑化や自動水まき、霧吹きなどが行われているが、手間がかかったり、手間がかかるのが課題。しかし、紹介されたのは単純な日よけ。ただ一枚板で影を作るのではなく、樹木の葉っぱのような構造になるような幾何構造にして穴が空いて通風も確保できる屋根。その幾何構造が「フラクタル」だそうだ。
東京都江東区にある日本科学未来館の玄関前に6月下旬、「シェルピンスキーの森」と名付けた日よけとして設置された。8月末までの予定で、気温などのデータをとって、冷却効果を確かめる実験をしている。この屋根の構造は、自然の樹木の葉っぱの分布模様と良く似ているという。日差しは防ぐ一方で風通しがよい。これを開発した京大大学院の酒井教授の説明では、葉っぱが熱くならないのは十分小さいからだそうだ。太陽に照らされると地上の大きな物体は熱くなりやすく、小さな物体は熱くなりにくい。小さい物体は大気に熱を逃がしやすいためだ。都会には大きな建物が多いのに対して、郊外では小さな葉っぱの集積である森が多くて、それが地表温度に差を出しているのだ。それも気温の差はそれほどではなく、高温の建物などからの放射熱で暑く感じるという。この屋根はできあがってしまうと格別の手間はかからないだろう。表面が小片に分離されているから熱くなりにくいとすれば、周辺への熱放射も小さくなる。風通しも良い。葉っぱからの水蒸発による温度引き下げ効果はないのだが、それでも十分温度引き下げに貢献するのだろうか。
この「フラクタル日よけ」のヒートアイランド防止効果がどれほどか、結果の記事が出るのを楽しみにしていよう。写真を見ないと感じが分からないので、メール情報から拝借することにした。お許し願いたい。