効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

6月23日のスマートグリッドに質問が

「ITの技術を使って、自然現象によって変動する自然エネルギーを取り込み、個々の電力消費者の動向もきめ細かく把握して、必要ならば需要を抑制するように制御することによって、もっとも二酸化炭素の排出が少なくなるようにするということのようだ。」と書いたことについて、『>必要ならば需要を抑制するように制御する  具体的にどんな需要を抑制するのですか?』という質問をいただいた。ここでいう需要とは原則的には電力だが、時にはガスなどが対象になることも考えられる。
日本では、エコキュウト設置の家やオール電化住宅に住む世帯以外のところでは、電気料金は単一になっていて、どの時間帯でも家庭用であればキロワット時あたり23〜4円だ。だから、電気代を節約するのは電気を使わないように気を配る、特に空調の温度設定を変えるのが一般的だ。しかし、欧米では時間毎に電気料金が変わり、需要が増える昼間のピーク時には料金が極端に高くなるところも多い。夏の昼間の暑いときには、一斉に冷房が入るので、発電設備の容量が不足気味の電力会社も多い。放置しておくと停電してしまう可能性もあるので、電力会社が冷房装置に無線で信号を送って、冷房温度の設定を少し上げる制度が広がりつつある。他には、冷蔵庫や冷凍庫のスイッチがもっともピークの時間帯に入らないように信号を送ることも実施されている。一時間ほど冷蔵庫のスイッチが入らなくても、冷蔵庫の温度が急速に上がることはないからだ。
このような方式は日本では実行されてはいない。昨年夏には東京電力が新潟の柏崎刈羽原発地震で止まっていたために発電能力が不足して、節電を呼びかけたが、このような個々の顧客の電気機器を制御するなどはしなかった。しかし、米国、特にカリフォルニアを始めとして多くの州で、個別の顧客に時間帯別の電気料金を知らせることによって、需要逼迫時の電気料金を高くして電気機器を使わないように制御するのが実施されている。スマートグリッドが普及すれば、このような需要制御がひろく行われるようになるだろう。