効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国の温暖化対応

米国下院が26日、地球温暖化ガスの削減目標を設定し、排出量取引制度の導入を盛り込んだ温暖化対策法案を賛成多数で可決した。ワックスマン・マーキー法案(クリーンエネルギー・安全保障法案)だが、採決の結果は賛成219、反対212の小差だったとはいえ、その内容は日本のこれまでの動きとは違って、世界にアピールする力をもったものだ。これから上院でこのまま通るとは思えないが、具体的な数字を明確に示したものであるだけに、上院がこれを無視した動きになるとは思えない。
法案では、2020年までの温暖化ガスの削減目標について、排出量取引の活用などを通じて、発電所や工場など主要な排出源で05年比17%と設定。米国全体では20%を目指していて、オバマ大統領が予算教書で示した14%よりも厳しくなっている。また、2050年までの長期削減目標は05年比で83%、電力会社に対して、風力や太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電を20年までに全体の15%に高めることも義務づけている。
この電力会社への義務づけは、州段階ではもっと高い数字を義務づけているところもあって、その追認のような感じもあるが、これは日本の動きとは全く異なるものだ。日本はやっと太陽光発電についてぼやけた数字を出しているだけで、電力会社への再生可能エネルギー利用の義務づけ量は一桁小さい。もし上院でも同じ方向の法案が可決されると、先進国の中で日本だけが取り残されたことになる。ブッシュ政権時代の温暖化対応に後ろ向きの姿勢があっただけに、新政権の姿勢が実態以上に積極的に受け止められるだろう。その時に日本が世界からどう見られるか非常に心配だ。これから年末のコペンハーゲン会合に向けてどう動くのだろうか。今の政権には何も期待できないだけにもう時間がない。