効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

吉野木質バイオマス発電所(昨日の続き)

木質バイオマス発電は、その事業性を維持できるようにシステムを作るのが難しい。森の木を切る時に、その土地や樹木の持ち主によっては伐採をさせないこともあるし、作業者を確保して伐採できたとしても、それを発電設備のところなり、チップやペレットにするとすれば、その工場へ運ぶのを、どのように、誰がやり、そのコストを誰が負担するかが問題となる。木質バイオマス発電は、殆どが汽力発電で、ボイラーで圧力の高い水蒸気を発生させて、蒸気タービンを回すのだが、燃料の品質には湿分なども影響するから、その管理が難しい。さらには、燃えた後に残る灰をうまく処理しないと、産業廃棄物になってしまって処分にコストがかかる。里山資本主義が言われていて、その趣旨は悪くないが、吉野の山を里山にできるのかどうかは分からない。だが、山の木を燃料向けに伐採することが、管理をうまくすれば山林をよみがえらせることに有効であることは確かだが、その管理も難しい課題となる。今回聞いた設備については、この物流問題を、灰の処分以外はほぼ円滑に流れるようにすることに成功して運用しようとしているが、6,500kWの発電機はまだ稼動していないから、実運用後には新たな課題がいろいろ出るかもしれない。実稼動が始まってからまた話を聞きたい。昨日の話の中で、森林組合認定林業事業体が伐採届けを役所に出して受理されると、伐採が事業として行いやすくなるということを知った。いろいろな規制があるようだが、どこかが一元的に緩和に取り組む必要があるだろう。