効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツのバイオ化学原料

再生可能エネルギーの利用促進についてドイツが先進的だということはよく知られている。石炭の使用がまだ多いし、石油や天然ガスについては海外からの輸入に大きく依存しているために、地球温暖化対応としてCO2排出削減のためとエネルギー安全保障両方の目的を達成するために、再生可能エネルギー、特に風力発電太陽光発電に政策的優遇策を準備したために、その発電規模は世界のトップクラスである。さらにバイオマスを工業用資源として利用することに重点が置かれ始めているようだ。
今日海外から来た再生可能エネルギーに関する情報を見ていたら、世界で3番目の規模を持つドイツの化学工業が使う原料油成分を植物系バイオマスから大量に生産する技術開発を行う研究所を発足させたとある。いままで大学などで進められてきた、藁や樹木、藻類などから油を製造する技術を、工業的なスケールで生産できるようにしようとするものだ。バイオマスから油を製造するときに化石燃料から得たエネルギーを使っていたのでは意味がない。ある程度は仕方がないとしても、できるだけエネルギー効率の高いものでなければならないし、同時に既存の石油化学プロセスと市場で競争できるようにならなければならない。それには酵母菌のような細菌の力を借りるのがもっとも有望であるようだ。化学産業が資金を出し合って大量にバイオオイルを安く生産する技術の開発を行おうとしている。細菌を使うということになると、酵母菌を扱うのに慣れている日本も力を発揮できるはずだ。
藁や樹木を好んで食べる細菌が居ることは確かだが、このような植物系バイオマスを油にしようと思うと、ただ食べてくれるだけではなく、食べる速度が速い細菌を見つけ出さなくてはならない。木質系のものを食べた細菌が、それを油として体内にため込んでくれれば、繁殖した細菌を集めてその油分を集めればよい。効率よく食べて、しかも繁殖力も旺盛でなければ工業的に使える量にはならない。ドイツではどうもその目途がついたような記事の書き方だ。森林資源が多い日本としてもドイツに負けないような優秀な細菌を見つけて大量培養ができる技術を開発してほしいものだ。