効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大阪ガスが本格的発電事業者に

大阪ガス天然ガスを燃料にする発電所を泉北製造所に建設した。全部で4基の発電設備があり、1,2号機が各27万7千キロワット、3,4号機は各27万750キロワットだ。全て発電効率の高いコンバインドサイクル発電(ガスタービンで発電し、タービンからの高温排熱を利用して高温高圧蒸気を作って蒸気タービンで再度発電する)で熱効率は57%(LHV)。4月1日に2号機が営業運転を開始していたが、5月1日に1号機がそれに続いている。今年9月までには全機が操業する予定になっている。全部で109万5,500キロワット。
東京ガス新日石と共同で川崎天然ガス発電所を建設し、天然ガスコンバインドサイクル42万3,700キロワットの第一号機が今年4月1日に操業を開始している。10月に同規模の2号機が稼働して、全体で84万7,400キロワットとなる。発電効率は57.65%と発表されている。
日本の大手ガス会社が揃って発電事業に本格的な進出をしたのだが、大阪ガスは別会社を設立せずに本体が発電した電力を販売する形をとっているようだ。全機が稼働するようになると、50万キロワットはエネットに供給し、50万キロワットを関西電力中部電力に卸販売する。同社は海外の発電事業にも投資をしていて、本格的に発電事業に取り組む姿勢をはっきりさせている。エネットはNTTファシリティーズ東京ガス大阪ガス共同出資の特定規模電気事業者(PPS)で、出資規模は順に4,3,3。
国内での発電事業について見れば、その成否は天然ガス価格の動向に左右されることになる。昨年原油価格が大幅に高くなった影響を受けて、天然ガスを燃料とする発電事業は、規模が小さい天然ガスコージェネレーションも含めて収益性が下がっているが、長期的に見れば、熱効率の高さ、石炭や石油に比べて二酸化炭素の排出量の低さ、などの特性を生かした、地球温暖化防止に貢献する事業として育つものと期待している。