効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートグリッド

新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)は8日、米国ニューメキシコ州アルバカーキ市内でスマートグリッドに関する日米共同ワークショップを行うと発表した。産官学の専門家と情報交換を行い、日米共同実証などの研究協力につなげるのがねらい。会期は13〜15日の3日間で、日本から電力、ガス、電機、通信などの18社に研究機関を含め、約30人の専門家が参加する。
日経ビジネスの最新号にもこのスマートグリッドが紹介されていて、エネルギー関係ではまるで流行のようになっている。そして、スマートグリッドオバマ米国大統領の環境関連政策の目玉として取り入れられ、予算も大きく付けられたため、あたかも単なる景気刺激策であるかのように報じられることもある。しかし、スマートグリッドは米国で数年前から研究が始められ、一つの市域をスマートグリッドにしようとする具体的なプロジェクトが昨年から開始されている。スマートグリッドを機能させるためには、電力需要の変動を正確に把握し、それに対応する発電をどのエネルギー源からのものにするかを柔軟に選択できるようにならなければならない。米国にはその必要性が現時点でも高い。
米国の送配電系統が信頼性に欠けることはよく知られているが、ちょうど米国に高速道路網が設置されたのと同じような発想で系統に対する投資が10年ほど続けられれば、安定性も向上し、しかも自然エネルギーを優先的に使うシステムが生まれるだろう。日本の送配電系統は、ある意味で必要以上に品質の高い電力を供給しているために、スマートグリッドに対するニーズがないと言える。自動検針にも使えるのだが、そのニーズすら日本では大きくないと聞く。今回のワークショップで日本の系統管理技術を売り込もうという考えではないかとも思えるが、ニーズがない国で開発された制御技術は米国で受け入れられることにはならないだろう。