効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国が日本型新幹線を?

今日は一日窓ガラス拭き。昨日の風呂の残り湯を使ってはいるものの、外から清掃するときには太陽が照っていてもやはり寒い。やり始めるとちょっとしたスポット的汚れも気になって、結局時間をかけることになってしまった。
毎日新聞12月29日号に共同通信からの報道として、英国のサンデータイムズ紙が、英国運輸省アドニス閣外相が「15〜20年以内に」ロンドンと中部の主要都市マンチェスターの間に日本型の新幹線を建設し、時速200キロを出せる高速鉄道を走らせたい意向を表明したと報じたとある。同閣外相は11月の訪日後、「日本では新幹線が経済復興の強力な原動力と国家の誇りになった」と強調しているという。政府の輸送戦略に関するグループが建設費などを調査しており、報告書が来春発表されるそうだ。
1989年まで4年間ロンドンに在住していたが、通勤列車は時代物で、席のすぐ横にある扉を自分で開けるという、馬車的雰囲気の車両だった。高速郊外電車も、車両の両端にある扉も自動的に開くのではなく、自分で窓をおろして外からノブを回して開けるというもので、最初はどうして良いか分からず、危うく乗り過ごす所だったことを覚えている。全てではないだろうが、日本の地下鉄のように第三軌道から電力供給をしていたのも記憶にある。発車時刻も到着時刻もあまり当てにならなかった。いまでは改善されているかもしれないが、鉄道の発祥の国でありながら、なぜこのように時代遅れになっているのかと思ったものだ。
ロンドンとマンチェスターの間は約300キロ、東京と名古屋の距離とほぼ同じ。いまもっとも混雑している区間だという。ここに200キロの速度を出せる日本型新幹線をということだが、高速の記録を持つフランスがTGVの売り込みに乗り出すに違いない。TGVの列車は先頭に機関車があって、後の車両に駆動装置はついていない。線路に対する負担は日本の新幹線のように駆動輪が全体の車両に分散されているものの方が少ないのではないかと思う。ともあれ、これが成功すればスコットランドに向けて延長するという計画のようだ。
この区間には大きな山もなく平坦で人家も密集していない。平地に線路を敷設するし、既存の路線も広軌だから、それを一部でも使うことが可能かもしれないので、キロあたり投資額も日本より小さくなるはずだ。ただ、東京・大阪間のような乗客数があるかといえば、多分かなり少ないだろう。ロンドンに次ぐ都市はバーミンガムだとされ、マンチェスターはここと2位を争っていると聞く。人口はどちらも100万ほどだから、人の移動需要は日本ほど大きくないかもしれない。採算性の問題はあるかもしれないが、200キロ程度の速度にすれば、投資額も少なくなって多分大丈夫だろう。英国の自動車の走行距離を抑えて化石燃料消費を下げる効果もあるだろう。日本の新幹線システムが英国に移植されるとすれば嬉しいことだ。