効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

仏が鉄道貨物網の整備

フランス政府は温暖化対策として鉄道貨物輸送のインフラ整備に80億ユーロ(約1兆1000億円)を投じる方針だそうだ。単に鉄道網というのではなく貨物輸送という点が注目すべきだと思う。2020年までに貨物専用の高速鉄道網を国内に張り巡らし、トラックや航空輸送からの移行を促す。もう一つ注目すべきは、この高速貨物列車はトラックが乗り入れられる構造として、道路網と有機的に結びつけるという点だ。これはこのブログで以前に主張したことがある。コンテナー積載は日本でも行われているが、トラックをそのまま乗り入れさせて、目的地に着けば運転手が待ちかまえていてそのまま輸送を続ければ良い。このようなインフラ整備で、鉄道貨物輸送の割合を現在の14%から22年には25%にまで引き上げるという。試算では現状に比べて200万台のトラックを減らすことができるそうだ。これと同時にフランス政府は、旅客用高速鉄道TGV)の大規模な延伸計画も打ち出していて、鉄道をグリーン成長戦略の要の一つと位置づけている。フランスの高速鉄道は諸外国から注目されているが、高速貨物輸送という着眼点は素晴らしいと思う。
日本では鉄道貨物輸送には別会社があって、従来線の旅客列車の間を縫って遠慮がちに走っている。貨物輸送を優先してダイヤは組まれていないはずだ。しかし、鉄道の定時運行は旅客列車と同じレベルの筈だし、従来鉄道の主要駅にはまだ貨物積み下ろしの側線が残っているところも多い。それをトラック輸送そのものと一体化すれば、大きくトラックの運行距離を減らせるし、運転手の労働条件も改善されるだろう。新幹線にも貨物列車を走らせても良いのではないか。貨物と旅客の混載でも良い。操車場は主要地点にあるから、そこを貨物の集積場にすれば、新しい事業として収益性も高いのではないかと思う。新幹線は夜に保線作業をするから列車が走っていない。だが、必ず空き時間がある筈だから、夜間を貨物新幹線に利用することができると思うのだが。