効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

麻雀の効用

晴天だが今日もさらに寒い。テニスに行こうかと思ったが、雑用を片づけないと今週に痛い目にあうという口実もあってあきらめた。雑用が結局3時過ぎまでかかったので、この判断は正しかったことになる。
先週ガリオア・フルブライト大阪地区同窓会の会合に参加した。米国からフルブライト奨学金で京大へ来て、日本の麻雀の位置づけについて研究した学生の報告を聞いたのだが、麻雀はギャンブルというより、日本社会、特に企業で人間関係を円滑にする大きな役割を担っていたという趣旨だった。しかも、お金をかけるのだが、そのお金は麻雀グループの外に出るのではなく、たとえば、勝った人が飲み代を出したりするようにして、大きな損得がないように仕組まれているという。一対一ではなく4人が台を囲むために、その間の対話は対立を生むよりも、対立を解消する方向に向かうというインタビュー結果もあるそうだ。
ただし、これは70〜80年代のこと。いまでは麻雀をする層が減っているそうだ。企業に働く若い人たち、特に家庭を持つ人たちは、麻雀よりも早く仕事を切り上げて家に向かう人が多くなっている。学生もPCに向かって麻雀をするが、実際に顔を合わせて台を囲むのは少なくなっているという。麻雀のやり方やルールは知っているが、その効用を評価して実際に面子を集めて遊ぶことはしないらしい。若い頃、自分は常に負け組だったから、人間関係のためにということはある程度分かってはいたが、よほどのことがない限り台を囲むことはなかった。そのうちに声がかからなくなったが、多分仕事の評価について間接的に影響していたかもしれない。
報告してくれた学生は、日本的人間関係の中で麻雀が果たしていた役割を高く評価している。そういわれてみると、身の程程度の掛け金で楽しむ娯楽であったことは確かである。彼は接待麻雀についても話してくれたが、接待をする側もされる側も、賭け金も同じレートでなければおかしいから、無茶なお金が動くことはないとする。これも潤滑油の役割だったとする。少し好意的に見すぎているような気もするが、このような場所が企業社会からなくなりつつあるのが果たして良いことなのかどうかと改めて考えさせられた。
彼に教わったのだが、千葉県の上総一ノ宮に「麻雀博物館」がある。彼のネクタイ止めにはローマ字でKokushumusouと彫ってあった。ここへ行ったときに見つけたものだという。余程惚れ込んだのだろう。彼がどの程度の腕を持っているのかは聞き損ねた。