今日の日曜日、午前中は明日の講義の準備などをしていたが、昼から自分が属しているテニスクラブ、学園前ローンテニスクラブの年末近くの恒例懇親会に出席。ローンテニスクラブといっても芝生のテニスコートがあるはずもないので、意気込みだけを表現したものだ。略して学Lとメンバーは称している。これまで何度かここで書いているが、今日冒頭に現会長が挨拶した中で設立後37年になると聞いて、そんなに長い時間が経ったのかと驚いている。自分も設立メンバーの一人であるだけに、良く世話になったなという感慨も深い。
会場で何人もの人が言ったのは、上手も下手も同じ土俵でテニスを楽しめるようにするというこのクラブの方針がずっと貫かれ、家族単位で会員になり、参加メンバーの肩書きを一切出さないことによって会員を社会的に平等の扱いにしたことが、これだけ長く続いてきた理由だろうということだった。日本ではどうしても会社などの肩書きで上下関係が生まれがちだが、この学Lではコートでそれを基準にして行動する人はいない。ダブルスのパートナーもじゃんけんできめるのがルールというのも、上手な人が大きな顔をする、あるいは下手な人が萎縮することがない雰囲気を作っている。このルールになじめない人はクラブから離れていくが、それはそれで仕方がないことだと思う。
今日は新しく参加した人の紹介もあったが、若い人の参加も増えているようだ。設立当初の懇親会には子供連れで参加する人が多かった。今年は孫を連れてこられた方もおられる。だが、子供さんと一緒に参加した人もいて、30年ほど前の雰囲気がまた戻ってくるのかもしれない。この地域の世代交代がそのまま反映されているのだと思う。懇親会の食事も女性達が全部用意してくれて、参加費も無料。会が終わると誰の指示でもなく皆で机や椅子の片付けが行われた。日本でも特色ある地域活動の一つだろうと思う。6〜70人は参加していただろう。
終日テニスコートに家族で来れば、エネルギー消費も少なくなるだろう。家族がこれで健康になれば、社会保障費も削減できるだろう。これから目指すべき低炭素社会、安心社会には、このような地域活動がもっと増えることが要請される。奈良県の施設を利用させて貰っているから可能になっているのだが、年に1万数千円の会費でボールも支給され、人と人とのふれ合いが楽しみの中で実現でき、地域のネットワークが育つのだから貴重な存在だ。それを支えるのは、コートの予約や会合の準備、会員同士の情報連絡など、全員参加で運営しているボランティアの気持ちのまとまりだと確信する。