効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良県産業活性化ミッション−2

昨日に続いて奈良県産業活性化ミッションについて書いてみたい。
ホテルを午前8時15分出発という厳しい予定でバスに乗車、山梨県中小企業人材開発センターに向かう。今日は抜けるような青空の上天気。富士山も八ヶ岳も両方見えるという幸運。センターで9時から荒井正吾奈良県知事とミッション参加者との懇談会が10時まであった。知事は東京から車で来られて、終了後また東京に戻られるという厳しいご予定だった。知事からの短い挨拶の後参加者から今回のミッションで感じたことに基づいての意見が述べられたが、その質疑内容は内輪のことであるからここに書くのは差し控えることにする。しかし、知事が奈良の地場製造業の将来に展望が持てるようにしたいという強い意欲を持っておられるのがよく分かったし、また上からものを言うのではなく、同じ目線で意見を述べておられたのには感動した。惚れ込んでしまったと言っても良い。この人なら奈良のいろいろな意味での豊かさを生み出してくれるだろうと思う。
知事は1時間で退室されたが、その後このセンターの活動を紹介するビデオを見せて貰った。実際に中を見せて貰う時間が取れなかったからだが、地場企業とよく連携していることが伝わってきた。その後またバスに乗って、同県北杜市に設置されているメガワット規模の太陽光発電実証試験設備を訪問した。もともとこのプログラムがあったからこのミッションに参加したみたいなものだけに、わくわくしていた。ここはNTTファシリティーズ社がNEDOから受託して実証試験をしているのだが、現場に到着したら、我々を迎えてくれたNTTファシリティーズの数人の中に顔見知りの人がいたのにはびっくり。
ここの太陽光発電設備は、シリコン系だけでなく、また国産だけでなく海外のものもいろいろ設置されて比較データが取られている。現時点では600kWだがいずれは2MWほどになる予定だ。これほどの規模のものがあちこちにできると、系統にどのような影響が出るかの試験だが、マイナスだけでなくプラスの影響もあるはずなので、電力会社に遠慮せずに全て結果を公表してほしい。これは運用を担当するNTTファシリティーズではなくNEDOに対する希望だが。
ここは太陽の光の強さで変わる出力の変動を蓄電池で抑制するのではなく、無効電力を注入することによって連系されている6.6kVの特別高圧ラインの電圧変動が基準幅を超えないように制御している。この方が制御コストはかからないはずだ。ここには集光型のものや太陽の高さに応じて傾斜を変えることのできるものもテストされていて、極めて面白いテスト施設だ。詳細な説明に参加者も試験場内を早足で歩き回りながら質問も活発だった。最後にこれまでのデータの説明をして貰ったが、太陽光発電の特徴が見事に示されていた。系統電圧変動の曲線も見せて貰ったが、ここから送られる電力を使用する負荷側の需要変動によって動く要素が多いように見受けられた。途中で奈良テレビの方からコメントを求められたが、撮影されたのでひょっとすると放映されるかもしれない。
そこから一路奈良までバスで帰ったが、昼食も含めて何回かの休憩があり、地元産のおみやげを買えたのも良かった。