効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

氷室

奈良時代の献氷が先月の23日、約1200年ぶりに再現されたとのこと。天理市の街おこしグループ「福住未来(ゆめ)クラブ」が企画し、その時代の装束を着けた20人ほどの人が天理市の復元氷室から奈良市の県庁まで氷を荷車で運んだ様子が写真で報道されていました。春日大社の一の鳥居をくぐって届けられた氷を荒井正吾奈良県知事がその当時の装束で受け取っていました。氷の大きさは1メートル幅、高さ50センチくらいに見えます。その横にも氷の塊がありましたから、冬に納めたものが結構残っていることが分かります。報道によると30キロの重さのものが2つだということです。復元した氷室ということですが、1200年前の材料と全く同じものが使われたとすれば、その断熱性はかなりのものようです。この氷はどこで採取したのでしょうか。
日本書紀には、冬場の氷を夏まで保管した「氷室」が、5世紀に天理市福住町にあったと記されているそうで、グループは98年に発足後、氷室を復元。毎年氷を取り出していたのですが、奈良時代には平城宮天皇に氷が献上されたというのに倣って発足10年を記念して献氷の再現を企画したということです。2年後の奈良遷都祭にもこの献氷をしたいと計画しています。奈良に雪が最近降らなくなっていることから思うのですが、氷を確保するのが難しくなるかもしれません。人工の氷ではなく自然が作り出した氷であったほしいものです。1200年前も自然氷ではなく、大きな雪の塊を突き固めて氷にしたのかもしれません。
温暖化対策に雪を利用しているのを思い出しました。降雪地域では大雪の除雪が悩みの種ですが、これをこのような氷室を現代風にしたところに貯蔵して、夏の冷房の冷熱源に利用しようというもので、国の補助で実用化の研究が行われているのです。冷房用の電力を減らすことができます。雪を貯めたところで利用するのが一番コスト的には有効ですが、この貯蔵庫をコストがかからないようにしてまるごと移動させることができれば、迷惑雪が有難雪に変わるかもしれません。実際にどのような実験が行われているのかは知りませんが、奈良のグループがしたような行事的色彩を持たすことができれば、単純なコスト計算だけではない雪の利用ができるのかななどと思っています。
共同通信の記事に出た献氷の写真です。