効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新エネルギー促進策

今日の新聞に政府の新エネルギー促進強化に向けた来年度概算要求が出ていました。概算要求ですからこれから変わるとはいえ、この中に盛り込まれていないものは力が入っていないということです。
項目的には、「住宅太陽光発電システムの導入費用補助」、「自治体と企業の大規模太陽光発電(メガソーラー)の導入支援」、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの導入費用補助」、電気自動車やハイブリッド自動車向け急速充電器設置の支援」となっています。予想していたこととはいえ、家庭用の太陽熱給湯器に補助策が全く出なかったのは残念なことです。少し予算を付ければ、価格は安いですから急速に回復するのにと思うのです。ただ、新しい技術ではなく、高価でもないので、政府支援に向かないということかも知れませんが、炭酸ガス排出削減効果を上げるにはもっとも有効であるはずです。
太陽から地球へ降り注ぐ光や熱のエネルギーは、1時間あたり約128兆キロワット時になり、全世界で人間が1年間に消費するエネルギーの約100兆キロワット時をはるかに凌いでいます。この一部でも有効に利用できればエネルギー問題も環境問題も解決の方向に向かうでしょう。
東北大学が面白い太陽熱利用を研究しています。レンズで集めた光を特殊な半導体に当ててレーザー発振させて、レーザーをマグネシウム化合物に当てて摂氏2万度の高温にして製錬し、純度の高いマグネシウムだけを取り出します。マグネシウムは水と反応させれば水素が発生するため、燃料電池を駆動することができることになります。マグネシウムは固体で輸送しやすいですから、新しい燃料として登場するかもしれません。
問題は柔らかな光しか得られない日本での実用化はなかなか難しいということです。この技術を利用して日本に近い砂漠地帯などでマグネシウムを製造し、日本に持ち込む事業を計画する必要があります。実用化にはまだ時間がかかるでしょうが、輸送には送電線が必要な発電よりも優れた方法かもしれません。
それにしても、太陽熱利用を国内で拡充する方が炭酸ガス排出削減に向けたコスト効果は大きいのになぜ注目しないのか不思議です。太陽さえ照れば、風呂のお湯はほとんどこれで賄えるはずです。日本ではお湯の消費の大部分が風呂ですから。これが普及すれば、エコキュートエコジョーズの販売量に悪影響が出るからでしょうか。スペインでは新築家屋には太陽熱給湯器の設置を義務づける政策を始めたそうです。日本での潜在量を誰か計算してくれないかなと思っています。政府がやらないなら、地方自治体で積極的推進をしてほしいものです。日本でも東京都がこのような方式を検討していると聞きますが。固定資産税を安くするなどいろいろ考えられるはずです。