効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鉛蓄電池

これからはいろいろな形式の蓄電池が使用されるようになるでしょう。いま盛んに言われているのは、自動車用にリチウムイオン電池がもっとも有効だということですし、大型の風力発電には、その発電のタイミングがばらばらなのを調整するのにNAS電池が注目されて、メーカーの日本碍子は欧米からの受注を背景に増産体制に入るようです。
いままでもっとも普遍的に使われてきた鉛蓄電池は、重量あたりの蓄電容量が小さいのと、寿命が5年くらいしかないし、鉛が有毒物質だということで、これからは目がないように言われていました。ですから、これを高性能化する技術開発はないのかなと思っていたのですが、最近新神戸電機が鉛電池の出力を高める電極用素材を開発したというように新聞報道されています。
いままでの電極板が、寿命の点から厚みが要求されていたのを、耐久性を高めることによって4分の一にまで薄くする技術を開発したそうです。そして、摂氏零度以下の低温度域でも性能が落ちず、ハイブリッド車にいま使われているニッケル水素電池の2倍の出力を確保できると報じられています。新開発の電池は、まず寒冷地用の車両向けバッテリーなどの特定用途を開拓し、ある程度の生産量を確保してから通常の鉛電池にも技術転用するということです。
極板が薄くなれば重さも軽くなります。自動車の重さを軽くするのにも貢献できるはずですから、意外に新鉛電池への需要は多いのではないでしょうか。トラックのハイブリッド化や電車のブレーキ回生エネルギーの貯蔵にも用途は開けそうです。鉛電池にはもう開発すべき技術はないのかと思っていたのですが、技術開発は必要が高ければ結果を生むのだなと実感しています。コストがどこまで下がるかが分かりませんが、極板の素材は同じ鉛だそうですから、希少金属を使うものより安くなるはずです。