効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新信濃周波数変換設備新設工事

何度か書いていることですが、日本列島に流れている電力の周波数が東は50ヘルツ、西は60ヘルツと違っています。最近までエジソンがニューヨークに作った直流供給設備がが使われていたのが遂に閉鎖されたという報道がありました。一部にこのような異なった電力供給方式があるのはそれほど稀ではないかもしれませんが、国を分断しているのは日本だけでしょう。完全に分断しておくということも一つの解決策でしょうが、それでは、日本全体の電力供給について需要と供給のバランスをとるのが難しいために、東京電力(50ヘルツ)と中部電力(60ヘルツ)の間に周波数変換設備が設置されています。ここを経由して各電力会社の需給バランスを調整して、安定供給やコストの削減に使っているのです。問題はその相互に電気を流せる容量が約100万キロワットしかないために、いま夏のピーク対応に備えるのに必死になっているはずの東京電力に、まだ余裕がある関西電力などから応援するのに限度が出てしまうのです。また、北海道や東北によく吹く風を利用して発電しても、それを西へ送ることが難しいのです。
このような設備の建設には、長い期間と膨大なコストがかかるというように聞いていました。電力事業の専門家がそう発言していましたので、この規模を拡大するのは大変なのだろうと思っていたのです。ところが、今日の電気新聞からのメールニュースに、信濃周波数変換設備30万キロワットが老朽化したために、新規に設備を作って入れ替える工事が最盛期というのがあって、その着工が07年3月で、稼働開始が09年2月、工事費が百数十億円と出ているのを見て、なんだその程度のものかと思ったのです。設計期間がその前に必要ですが、基本機能は単純ですから、発電所を設計するのよりはるかに短い時間で設計できるはずです。今になっては東西の周波数を統一するのは無理ですから、この周波数変換容量を大きくすることで、東西の融通がやりやすく、かつ自然エネルギーの流通を大幅に拡大することができるのですから、国の手でこの規模拡大をしても良いのではないでしょうか。全国民が払っている電源開発促進税の一部利用で可能な規模の設備費です。エネルギー安全保障や、地球温暖化防止にも貢献できるのですから、税金を使うことに反対は出ないでしょう。原子力発電所の建設に回すよりも有意義ではないでしょうか。