効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ガソリン価格

ガソリン価格が高止まりしている。暫定税率に関わる法律の期限切れでわずかの間下がったが、元に戻り、レギュラーでリッターあたり170円を超えている。これに関する報道の印象では、日本だけが高い税率をかけていて、ドライバーが困らされているという感じになるが、この復帰後の税率でも米国を除いて先進国では一番低い。
暫定税率が話題になっているときに公明党が出したネット情報に出ているが、日本の税率が39.5%であるのに対し、英国が66%、ドイツが63.9%、フランスが62.7%、韓国が57%とはるかに高くなっている。米国だけが12%と異常に低い。一番高い英国など、日本がリッター155円だったころに225円しているのだから、多少は日本の消費者も情報として知っておくべきだろう。
日本の問題はこの税が道路財源にだけ使われていることがある。英国やドイツは、この税の中に環境税と同じ性格のものが含まれていて、福祉財源などに充当されている。ちょっと奇妙に感じるかもしれないが、環境税炭酸ガス排出や大気汚染防止の効果を出すために徴収すると、所得を圧迫することになる。その圧迫を除くために所得税の軽減や、福祉財源に充てるなどして、所得に与える影響を中立的に保つような仕組みになっている。
英国はつい最近まで石油・天然ガスの輸出国だったから、ガソリン税を高くして消費を抑制する必要はないように思えるが、車の走る距離を抑えて環境改善をしようとする政策が折り込まれている。ドイツも全く同じことだ。米国の場合には、公共交通機関が全く発達していないために自動車がなくては生活がなりたたないという特殊な条件があるために、ガソリン課税をする政権は必ず負けるといわれていて、いままでずっと税金は低く抑えられてきた。この状況はまだ当分変わらないだろう。その代わりに自動車の燃料消費量を抑える規制が強化されている。
日本もガソリンに環境税的なものを上乗せする方向に行かざるを得ないと思う。そしてヨーロッパに見られるように、所得への影響を少なくする工夫をしないと経済への影響が大きくなりすぎる。これからの検討課題だが、政治のリーダシップと、分かりやすい説明が求められる。後期高齢者健康保険のように、ほとんど説明周知なしに実施するようなことがあってはならない。