効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

イカつり漁船休漁

燃料高騰のため、出漁すれば必ず赤字になるからイカ釣船が全くk漁に出ず、市場から生イカが姿を消しつつあるという報道があった。これはイカだけに止まらないだろう。日本の国内産の魚は、海外からの輸入魚の価格に負けているために、日本の漁業自体が成り立ちにくくなっているのだが、燃料価格がきっかけとなって、国産の魚の確保を考える良い機会になっているのではないか。
農水省が平成18年度に出している資料によると、平成17年の魚介類全体の自給率は50%、食用魚介類は57%となっている。後者は、平成12〜14年に52%にまで下がっていたのが、少し上がっている。供給が少し上がったのと、消費が下がったためだ。魚を食べなくなっているということだ。
魚がどこでとれたかについてはいろいろ問題もあるが、少なくとも我々が食べる魚介類について日本の漁業がからむ部分が6割弱ということを、よくいわれる食糧自給率カロリーベースで40%とも合わせて考えてみる必要があるだろう。
漁業関係者は燃料価格の高騰分を国が面倒を見るべきだと訴えている。緊急の対応としては考えられるが、社会が魚の値段が上がるのを受け入れることが基本だろう。燃料価格の高騰は世界中でほぼ同じだから、輸入魚についてもいずれストックがなくなれば上がらざるを得ない。長期的に輸入量も減る可能性がある。石油価格の高騰は誰でも理解しているから、仕方がないとして受け入れる素地はあるようにも思う。
さらには、食の安全を魚にも適用して、国内産の魚が少し高くても買うような消費者意識が出れば、長い目で国内漁業を支援することになる。農業や林業と同じように、漁業についても国民の基礎的ニーズを満たす健全な産業として続いて貰わなければならない。工業製品とは違って、支える人を育てることができなければ回復させるのは難しい。
出漁停止は日本全体にインパクトのあるニュースだが、それを一過性のもので終わらせてはならないだろう。ただし、消費者の懐に穴が開かないような所得水準を維持しなければならないというさらに大きな課題もあるのだが。