効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

指差し確認

昨日、燃料電池に関するシンポジウムから帰るために、新幹線東京駅でひかりの自由席を利用するために1号車の運転台の位置で列に並んでいた。ここはプラットフォームに上がってくる階段から一番遠い位置にあるから、並ぶ人の数も相対的に他の車両より少ない。自由席に座るときにはほとんど1号車を目指すのが普通だ。富士山側にある2列席の窓側に座ってゆっくりしたいからだ。700系の車両の場合には、一番先頭の席に座る。ここにはPC用の電源が用意されていて、バッテリーの残りを心配する必要がない。
ひかりの車両が入ってきた。交代運転手が位置に着いていたが、入ってくる車両に向かって指差し確認をしている。列車の入り口が閉まるときにこの行動を見ることがあるが、進入する列車に向かってするのを見るのは初めてだったので、何を確認しているのかに興味が出てきた。指の方向はプラットフォームに平行ではなく上を向いている。それも常時ではない。そこで気がついた。運転手が確認していたのはパンタグラフだった。パンタグラフが全ての車両に設置されているわけではない。だから付いている車両が通過する毎に異常がないかを確認しているのだった。
その数分後に隣の番線に列車が入ってきた。そこにも交代運転手がいる。この確認をするだろうかと思って見ていたら、やはりパンタグラフのある車両が通る毎に指差し確認している。一種の感動だった。規則がそうなっているからと言ってしまえばそれまでだが、それをきちんと実行する乗務員が居るからこそ、過密に近い運行が安全に継続されているのだ。
20年前にロンドンに住んでいるときに、地下鉄の運転手がコーヒーを飲みながら運転しているのを見て仰天したことがある。今はロンドンでもそのようなことはないかもしれないが、日本の乗務員のように律儀に安全確認をしているところはないだろうと思う。形式でもきっちり守るところに意味があるのだと思う。