効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国のRPS (Renewable Portfolio Standard)

今日は東京にいる。今日と明とに東京で開催される燃料電池開発情報センターのフォーラムに参加するためだ。自分の家に燃料電池が稼働しているからという訳ではなく、日本の開発動向に関心を持つ海外のエネルギー情報会社に提供する種を仕入れるためだ。政府が開発に大きな資金を提供しているためでもあるが、日本が最も商品化に近いと見られている。
上京中の新幹線の中で米国の友人が送ってくれた資料を読んでいたら、米国で高い比率のRPSを設定してそれを電力会社に義務づけている州が急増しているようだ。ドイツなどヨーロッパ諸国では再生可能エネルギーからの電力を高い固定価格で買い取りを電力会社に義務づけたことによって、風力発電太陽光発電が急増したが、米国では、この制度を採用しようとする州も出てきているものの、主流は電力会社が発電する電力の内一定比率を再生可能エネルギー(Renewables 自然エネルギーとほぼ同じ)からのものにするという比率を設定して、電力会社に義務づける、あるいは目標として与える方向で進んでいる。日本もRPSの制度で自然エネルギーの普及を促進しようとしているが、米国のほとんどの州で設定している比率と桁が違って低いために、電力会社に対する強制力としては全く効果がない。
米国は、連邦政府はまだ逡巡しているが、州レベルで見ると、ニューヨークが2013年までに24%、コロラドが2020年までに20%、カリフォルニアが2010年までに20%、オレゴンが2025年までに25%など、高い数字で設定し義務づけているところが20州以上ある。日本はといえば2010年までに1.35%、最近改訂されてたしか2015年までに1.69%だから、ほとんど添え物としてあるみたいなものだ。米国でこのRPSを達成できなかった電力会社にどのようなペナルティーが課されるか州毎に異なるため調べてみないといけないが、消費者からの圧力は日本とは比較にならないほど強いはずだから、いま電力会社は再生可能エネルギーの受け入れ体制を整備するのに投資を始めている。日本は、いまある設備に手を加えない範囲でのみ受け入れるという姿勢で政府に働きかけ、その政治力に政府が負けたのだと言える。しかし、間もなく洞爺湖サミットが開かれて議長国となる日本がこの有様では、国際的に非難を受けるのは確実だろう。