効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

暫定税率騒動とガソリン価格

今日から暫定税率が元に戻って、ガソリンスタンドの価格が一斉に上がったと報じられている。本来ガソリンにかかる税金は、ガソリンが精油所から出荷された時点でかかっているから、現時点でガソリンスタンドに在庫としてあるガソリンは税金がかかっていないものがほとんどであるはずだ。それを今日から値上げするのは不当だと言えるのだが、1ヶ月前に税金がかかっていて高いガソリンを、競争のために低い税率のものの値段に引き下げて販売したガソリンスタンドがほとんどだったから、その時点の損失を補う意味で今日から値段が上がるのもやむを得ないのかもしれない。ほとんどの車は昨日までに満タンにしているはずだから(自分もその例に漏れない)、ガソリンスタンドの売り上げは激減するだろう。ただし、車のガソリンは、走ればなくなるのだから、1週間ほどで元に戻るだろうと思う。ガソリンが安かったのは1ヶ月だけだから、心理的な抑制はそれほどかからないと思う。
今日の報道記事に、日本のガソリン税暫定税率が元に戻っても、1リットル当たりの税負担額はOECD加盟(アイスランドを除く)29カ国の中で6番目に低い水準だとある。欧州では、環境への配慮から、ガソリン消費抑制のために税率を高くする傾向が強まっているそうだ。日本のガソリン価格に占める税負担率は4割だが、イギリス、フランスやドイツでは6割を超えている。しかも、元に戻った価格でも、第二次石油危機後のピーク時の価格にはまだ及んでいないのだから、環境面から見て現在の税率は少なくとも妥当だと言えるだろう。
問題は、これで徴収される税金が何に使われるか、適切な使われ方がなされているかが問題だろう。少なくともここ1年間は特定財源として使われるから、その予算執行を具体的にチェックする必要がある。これだけ社会を混乱させたのだから、その見返りとして予算執行の健全化が進められなければ、また道路族を喜ばせることになる。道路予算を景気対策に使うのだけは避けてほしい。