効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

盲導犬

今日は大学へ行く日。少し時間に余裕があったので、準急に乗って席を確保して本を読んでいた。途中の駅で駅員が突然入ってきたので何かあったのかなと思ってそちらを見ると、中年といったは少し失礼かもしれない年柄の女性が入ってきた。駅員は、「じゃ、降りられる駅には伝えておきますから」と言って出て行った。何か障害のある人だなと思ったが、よく見かける車椅子ではない。すっと席を立ってその女性に場所を譲った人が居た。見るとその人の足下に大きな犬が居た。盲導犬だとわかる。犬が居なければ目の不自由なことなど全くわからない風情の人だ。席を譲る人があったのは良かった。
犬は女性の足下にうずくまっていて、時々女性の方を見てはまた自分の前足に顔を乗せて目を細める。何とも和やかな雰囲気だ。周辺の人を見回したときに反応が違うことに気がついた。盲導犬を、にこにこして眺めて時には子供をあやすときのような表情を見せる人と、眉根にしわを寄せて不安そうにちらちらと犬に視線を走らせる人、無表情でいままでと特に変化のない人、といったところだ。自分も電車の中で近くに盲導犬を見るのは初めてだったので、多少失礼だなとは思いながら犬の様子を見ていた。にこにこ派に属している。準急だから停車駅が多く、人の出入りも多いが、犬はほとんど動かない。入ってきた人も、一瞬びっくりした様子だが、飛び上がったりはしない。盲導犬が社会に認知されるようになっていることを示している。
普通の犬を見慣れているものにとって、この盲導犬のように平たくなって座り込んだままでほとんど動かないというのは実に珍しいものだ。目をつぶってはいるが、内側では緊張を続けているに違いない。健気なものだ。
自分が降りる駅に着いたとき、その女性はまだ座っていた。降りる駅への連絡がきちんとされていて、駅員の誘導がうまくいくようにと思いながら電車を離れたのだった。