効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

港湾設備のエネルギー効率向上

昨日ロッキーマウンテン研究所(RMI)のニューズレターが届いた。目を通していると面白い内容がある。物の移動には必ずエネルギーが消費される。だからそれに要する自動車、飛行機、電車、汽車などについて個別のエネルギー効率化プロジェクトはある。ところがそれらが組み合わさったときには、システムとして把握して対処すると、効率化はさらに進展するという。RMIはその具体的な取り組みとして港湾施設を対象にした分析を、米国にある幾つかの大規模港湾関係者と協力して開始しているそうだ。
確かに港の施設には、一般的な輸送手段だけでなく荷物の積み替え用のクレーンや牽引車、格納庫、はしけなどがあるし、その全体を管理するプログラムも複雑になる。これら全てを統合し、各港で同じシステムを採用することができれば、全体の輸送効率は大幅に上がるはずだ。港湾の歴史は古いために、いろいろなシステムがつぎはぎになっていることは確かだろう。そのために円滑な貨物や人の移動や中継に大きな無駄があり、その無駄自体がエネルギー損失につながることになる。たとえば冷凍保管を要する食品が、船への積み込みが一日ずれるだけで、冷凍倉庫での保管エネルギーが無駄になる。
物流はいまエネルギーの観点から見直しが行われているが、港湾システムに目をつけたのは面白い。日本の港湾施設は世界的に見て競争力を落としていると言われるが、エネルギー効率の面から見ても競争力がないのではなかろうか。国交省などでも港湾をエネルギー消費の観点から見直すプロジェクトを始めたら大きな成果が出ると思う。