効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

植物工場

丸紅が屋内で作物を効率生産する植物工場事業に参入するそうだ。水耕栽培ではなく、特殊な土壌で果物や根菜、ハーブなど単価が大きな作物を育てるという。2014年度で40億円の売上高を目指すというから、半端な計画ではない。大手商社が参入するのはこれが初めてだという。特殊な土壌というのは保水力の高いコケの一種であるピートモスに粘土物質を混ぜたもの。ピートモスというとガーデニング用品売り場などにあるように特別なものではないから、粘土物質に鍵があるのだろう。保水力は通常の土の約10倍で、土の成分も入っているので水耕栽培に比べて多品種の生産が可能となるらしい。
このシステム自体も販売するというからやはり商社の面目躍如。大阪本社ビルに約150平米の場所を確保して自社でも栽培し、ショールームにするようだ。付加価値の高い作物を安定して収穫できるために、地価の高い都心部でも店舗やオフィスなどの空きスペースを使えば採算に合うケースがあると予測されている。植物工場の設備販売では三菱化学JFEホールディングスなどが先行しているというが、これは水耕栽培なのだろう。経済産業相農林水産省は植物工場を3年で3倍の150カ所に増やす目標を立てて、建設費を半額補助する制度を導入するということだ。
この工場で育つ作物にはいずれにしろ太陽光かそれに類した光を当ててやらなくては植物は育たない。おそらく夜間電力を多く使って消費エネルギーコストを下げるようにするはずだ。もし光のない時間が生育に必要であるとすれば、夜だけ光を当ててやるだろうから電力会社にとってよだれが出そうなお客になる。光についてもLED照明がかなり植物に適した周波数の光を集中して出せるようになってきているから、エネルギー効率も高くなるだろう。収穫後に残る葉っぱや幹をバイオガスにして発電するなども考えられる。食糧自給率向上と再生可能エネルギー利用両方を実現することができるかもしれない。できれば自然光をうまく導く工夫ができれば良いが、自然光は晴天の時しか使えないという弱みがあるのは太陽光発電と同じだ。しかし、できるだけ化石燃料を使わない工場にしてほしいもの。