効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

天然ガス需要

この間も天然ガスについて述べたが、天然ガス自動車も加わって、日本の天然ガス需要はこれから急激に増えるだろう。特に、原子力発電所の稼働が必ずしも保証できない条件が出ている今、古い石油火力発電所を更新させて設備容量を増やすとともに、発電効率も向上させようとする方向に電力業界は向かうだろう。そのためには、天然ガスを燃料とするコンバインドサイクル発電設備が採用されるはずだ。いままで廃棄してしまうはずだった設備まで加えていくから、天然ガスの調達計画を上回る量の天然ガスが必要となる。
ところが、日本は天然ガスをほぼ全量輸入に頼っている。そして日本向けの輸出国であるインドネシア、マレーシアなどは、次第に国内向けにガスを使う必要が出ているため、日本の輸入が次第に難しくなるだろう。そこへ環境対応に悩む中国が天然ガスの確保に積極的になっている。
新規開発ガス田としてロシアのサハリン1,2プロジェクトがある。ロシア政府の介入が厳しくなって、日本のシェアが低下しているし、ロシアは日本の足許を見透かした商売をするだろう。ここにも中国は好条件をロシアに示して輸入量を確保しようとするに違いない。中国国内をパイプラインで輸送できるし、その高圧パイプ埋設も国家プロジェクトとして有無を言わせないで推進するはずだ。エネルギーの輸入量確保と地球温暖化対策両面で政治的にも四面楚歌になりつつある日本は、エネルギー源をどこに求めれば良いのだろうか。自前のエネルギーは、エネルギーの有効利用であるネガワットと自然エネルギーしかないのだから、それをどのようにして量的な確保をするか知恵を働かさなければなるまい。