効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱利用に関する英国の動き

英国の野党である保守党が「Quality of Life:クオリティー・オブ・ライフ:生活の質」というレポートを出して、熱の利用を促進するような提案がその中に入っているそうだ。このレポートを出したグループは、保守党のデイビッド・キャメロン党首が、気候変動への取り組みに貢献し環境を改善するであろう新政策を打ち出そうとして作ったもので、家庭のエネルギー使用、運輸、税制に焦点を当てた報告書を出しているらしい。新提案は10月の保守党会議で検討されることになっている。
熱利用に関して面白いのは、全ての発電所に廃熱量に応じた課徴金をかけて、発電に伴って生ずる熱を有効利用することを促進しようとしていることがある。おそらく新規発電設備の高効率化と新規熱利用に対する規制を考えているのだろう。また、再生可能エネルギーを使う小型の発電設備や、家庭で使われる小型のコージェネレーション(熱電併給)からの電気を電力会社が高く買うようにし向ける固定買取料金の新設を考え、さらには、小型のコージェネレーション設備を設置した家庭や企業の税金を安くする促進策を盛り込もうとしているという。コージェネレーションについては、熱利用によって総合熱効率が上がるのを評価してのことだろう。
保守党は原子力発電も温暖化対策として受け入れざるを得ないとしているのだが、それでもこのような政策を検討しようとする動きもあるのは興味をひかれる。結末はどうなるか分からないが、案外新しいことを試みる懐の深さを持つ英国の動向として注目したい。