効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ハイリゲンダムサミットの閉幕

ドイツの現地時間で8日午後、議長国ドイツのメルケル首相が地球温暖化防止への毛いつを盛り込んだ議長総括を発表して閉幕した。成果がどれほど上がるかどうかは別にして、一つの区切りとなるものだから少しはコメントしなくてはなるまい。
環境サミットとして本当の意味で歴史に刻まれるかどうかは今後の展開次第だろう。2050年までに温暖化ガス排出量を半減させるという、誰もチェックする手段を持たない先の時点に向けた目標しか出せなかったところに、各国の思惑を表面に出せない政治的妥協であることが見て取れる。よく言われているように、京都議定書に縛られない米国と中国が実行ある対策を出せるかどうかの鍵を握っていることは確かだ。2004 年における総炭酸ガス排出量のうち米国が22%、中国が18%と国の単位でみると圧倒的な比率を示している。この2国の排出量は、京都議定書の削減義務を負う国の排出総量と同じなのだから、この2国が実質的な施策の実施を受け入れなければ温暖化を防ぐことはできないことは明らかだ。
米国は政府の方針とは別に、州段階、企業レベルで温暖化ガス排出を削減しようとする実質的な動きが出始めている。問題は中国だろう。何か見返りがなければ排出量の削減はできないと主張し、その見返りを出すのは日本だと強弁するのではないか。日本はいままで開発してきたエネルギー効率の高い技術を売り込めるという論もあるが、中国がそれほど易々と日本の市場になるはずはない。極端に言えば、無償で技術供与するのが日本の責任だと言うのではないか。経済大国としての責任に加えて、戦争責任も上乗せする戦略をとるだろうと思っている。