効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スペインの自然エネルギー

今日の英文読売新聞に英国のタイムス紙の記事が出ていた。スペインが自然エネルギーの拡充に力を注いでいるというものだ。写真には、フランスとの国境にあるNavarreに建てられている30基ほどの風力発電機が大きく掲載され、ここで発電される電力がこの地方の電力需要の55%以上を賄っていると紹介されている。2010年までに75%を再生可能エネルギーにし、その少し後には自然エネルギーをこの地域から輸出する計画だそうだ。このような大規模な風力発電には、景観の問題や鳥への被害があるとの反対もあることが紹介されてはいるが、住民の大部分は賛成しているとのこと。
この前に紹介した大規模太陽光発電所にも触れているが、電池のパネル一つ一つが投資家の保有になっているというのは面白い。投資のためのローンも準備されていて、パネルの寿命は25年が保証され、投資は10年で回収できるらしい。町の住民が皆この太陽光発電所のパネルに投資している可能性もある。
風力と太陽は、どうしても本質的に不安定であるため、自然エネルギーで水素を作り、それを燃料にして発電して不安定性を補う計画も進展している。この水素は自動車の燃料にすることも考えられているとのこと。
これだけ大規模な自然エネルギーの利用があっても、スペインは京都議定書で定められて義務量を達成できそうもない。経済成長率が他のヨーロッパ諸国に比べて遙かに高いからだ。住宅の冷房普及率も最近急速に上がっているという。この状況に対応するために、この3月から、新設の住宅とビルは太陽電池太陽熱温水器を設置することが義務づけされた。この記事では、担当大臣の言として、新設住宅の給湯需要の70%は太陽エネルギーで対応できるようになると紹介しているから、温水器に力点があるのかもしれない。