効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電車の回生エネルギー利用

昔の電車が止まるときには、回転している車輪をブレーキシューで外側から締め付けていた。これが車軸に付けたディスクをパッドで締めつけて止める方式に移行していった。これはいずれも回転エネルギーを摩擦熱に変えて速度を落としたものだ。新幹線でも停車の最後に所定位置に止めるのにこの方式が使われている。これが後に、電車のモーターを発電機として使って発電し、その電力を抵抗器に通して消費させて速度を落とすようになった。速度のエネルギーを熱エネルギーに変えたのだが、その熱は空気で冷やす形で捨てられていたのだ。
その後の技術革新で、この発電された電気を架線に戻してやり、他の電車の加速に利用できるようになった。それだけエネルギーの有効利用になるのは明らかだ。しかし、架線に戻してやった電気を使える電車が走っていなければ、架線の電圧が急激に上がってしまい、その管理が厄介になる。JRで働いているエンジニアから聞いたが、新型の電車を地方の路線にもっていくと、電車の本数が少ないためにこの回生電力を使えないだけでなく制御に困ることがあるそうだ。
そのような、使われないで厄介者扱いの電気を貯めてやり、他の電車が使うタイミングで放出してやることができれば、エネルギー効率が大きく上がるのは確かだ。電気を貯めるには、蓄電池、フライホイールキャパシターなどがあるが、このほど、川崎重工が大型の蓄電池を使って、回生電力で利用されなかった余剰分を貯めるシステムを開発したと報じられている。このような設備が普及すれば、移動のエネルギー効率が極めて高い電車が、ますますエネルギー消費の削減に貢献することになる。無駄に使われているエネルギーの有効利用は、技術開発によっていくらでも推進できるのではないか。というのは楽観に過ぎるかも。